金箔について

金沢の伝統工芸品「金箔」

「金箔」は、金を10,000分の1~2ミリほどの薄さにまで打ち延ばしたものを指します。建築や美術、工芸品、宗教具など多岐にわたり活用される金箔。日本の金箔生産量の98%以上が金沢で作られています。金閣寺や日光東照宮など日本を代表する文化的な建造物や美術品も、金沢の金箔で彩られているのです。

400年を超える金沢における
金箔の歴史

金沢の金箔の歴史をひも解くと1593(文禄2)年、加賀藩主・前田利家公が「朝鮮の役」の陣中から、国元へ金・銀箔の製造を命じる書を送ったところまで遡ります。1808(文化5)年には、焼失した金沢城の二の丸御殿を再興するため、多量の金箔が必要となり、加賀藩は金箔の製造に取り組みます。

加賀藩の文化奨励策が
箔製造を後押し

その後、江戸幕府は「箔打ち禁止令」を出して箔の製造・販売を統制しますが、加賀藩は武具の管理や修理、さまざまな道具類を細工するために設けた「御細工所(おさいくしょ)」で、密かに箔打ちの技術を伝承したともいわれます。加賀藩の文化奨励策が金箔製造を後押ししたのです。明治維新後、幕府の統制がなくなったのを機に、金沢箔は技術的、量的に大きな発展を遂げました。金箔製造に適した湿度の高い気候や良質な水に恵まれた風土に加えて、忍耐強い金沢人の職人気質が、金沢を金箔の産地として発展させたのです。

新たな金沢箔の活路と歴史を
刻む

多くの金箔は、金に微量の銀と銅を合金して作られています。配合率の違いにより色や風合いが変わってきま。金箔は製法により、「縁付(えんつけ)箔」と「断切(たちきり)箔」の2種類があります。縁付箔は、手漉(す)き紙を加工した紙に金を挟んで打ち延ばす伝統的な技法で製造されます。断切箔は、グラシン紙と呼ばれる専用の紙を箔打紙に用いており、昭和40年ごろから金箔製造の中心となっています。Gold-Knotは主に断切箔を使用しています。Gold-Knotは石川県箔商工業協同組合に加盟しており、これからも金沢箔の新たな活路と歴史を刻むモノづくりに精進して参ります。