輪島塗 うるし珠

うるし珠は素地に真珠核を使い、その上から天然漆を重ね塗りしたもので、重厚感のある色彩が特徴です。うるし珠の肌に触れる部分には、クリアコーティングを施してあり、肌に影響がありません。伝統工芸が盛んなふるさと石川県の復興に決意と願いを込めた二つの工房の手仕事の妙をお届けします。

金沢金箔

金箔(きんぱく)は、金をごく微量の銀や銅とともに金鎚で叩いて薄く延ばしたものです。金沢で生産される「金沢箔」は400年以上の歴史を持ち、現在では全国の生産量の100%近くを占めており、国指定伝統的工芸品となっています。金箔ジュエリーGold-Knotは金沢箔を独自の技術でレースに貼った金沢生まれのアクセサリーブランドとして欧米の美術館やギャラリーでも展示販売されるなど注目を集めています。

被災・倒壊した工房の中で残ったうるし珠が金箔の独自技術で蘇る

2024年1月1日に発生した能登半島地震は各地に大きな被害をもたらしました。輪島市で輪島塗の仕上げ工程で漆の表面を磨き上げる加工を行ってきた呂色師(ろいろし)升井克宗氏の工房「升井彩 本乾漆工房』も大きな揺れで全壊しました。当社は以前から升井氏と親交があり、地震の揺れが治まった後にアクセサリー製作のコラボを呼びかけました。升井氏は、がれきの中に散らばった漆や道具、作業途中の珠を一つ一つ拾い集めて製作を再開、うるし珠と金沢箔を組み合わせた「金箔ジュエリーGold-Knot 輪島うるし珠」が実現しました。
うるし珠は素地に真珠核を使い、その上から天然漆を重ね塗りしたもので、重厚感のある色彩が特徴です。うるし珠の肌に触れる部分には、クリアコーティングを施してあり、肌に影響がありません。伝統工芸が盛んなふるさと石川県の復興に決意と願いを込めた二つの工房の手仕事の妙をお届けします。

能登と金沢の伝統工芸が一体となって作り上げた新しい輝きと価値

落ち着きのある華やかな金箔を背景にして、中心部に朱赤のうるし珠を配した新しいアクセサリーは、対照的な色彩と、異素材としての力のある競合を感じさせ、それ自体が印象深い存在感を持つに至っています。
能登と金沢の伝統工芸のそれぞれの独自な技術が能登地震で出会い、互いの存在感を高め合うシナジーを生んで新しい輝きを放つことで、かつてどこにもない新しい価値を持つことができました。
このアクセサリーを日常生活で身に付けることで、能登地震被災地への想いを共有し、復興を祈願することになり、また、身に付けた人自身の存在感を向上させていくことにもなるでしょう。
なお、当社は「金箔ジュエリーGold-Knot 輪島うるし珠」を、2024年7月31日から8月5日まで、東京都中央区の日本橋三越本店 本館7階 催物会場で開催される「日本の職人 『匠の技』 展」に出展します。